芥川龍之介は柿が好物
大正12(1923)年 11月2日 下島勲宛
まいどいろいろ頂き有難く存じ候 昨夜のまるめろは酸くして小生の胃にはだめなれど柿は大好物故早速頂戴仕る可く候
即興
草の家に柿十一のゆたかさよ
大正13(1924)年 11月25日 西川英次郎宛
冠省 柿を沢山ありがたうはじめは少し渋かつたが後に食つたらうまかつた 君にはバトラアの本を献上する約束のところ未だ約束を果さず大いに恐縮に存ずる次手を以てあり合わせを送る御落手されたし、鳥取は君、癩病が多いよしうつらぬやうに気をつけ給へ僕は今新年号の原稿の為にウンウン云つてゐる右遅れながら御礼まで、君はまだ結婚しないのか正月に東京へでも来たらよらないか 頓首