芥川龍之介先生マンガ記

芥川龍之介先生関連のマンガを掲載しています。見て頂くことと自分の調べ物と両方を目的にしています。

芥川龍之介

明治四十二(一九0九)年 芥川道章宛

修学旅行で日光へ来てゐます、日光の建築は大していゝとは思ひません、陽明門も一向感じません、唯、杉の並木の青黒い間に朱の門の見えるのは一寸きれいです、明日中禅寺へ向ふ予程、左様なら 『芥川龍之介全集』第十七巻 12-13p岩波書店 1997年発行 芥…

書簡集より 明治四十二(一九0九)年 山本喜誉司宛

啓 はるばるの御状しみじみ難有く覚え候、今四日小生も都に帰り四畳半の小斎に旅塵をはらひつゝ唯今本尊簡を拝読致し侯、承れば御地に於て"江東男児の面目を御代表"遊さるる由いつにもなき大気焔に恐れ入侯、小生も疲労のなほり次第槍ヶ岳登攀の行に上るべく…

書簡集より 明治四十二(一九0九)年 広瀬雄宛

粛啓 御手紙難有奉誦致し候ジャングルブックは嘗て其中の二三を土肥春曙氏の訳したるを読み(少年世界にて)幼き頭脳に小さき勇ましきモングースや狼の子なるモーグリーや椰子の緑葉のかげに眠れる水牛や甘き風と暖なる日光とに溢れたる熱帯の風物の鮮なる印象…

書簡集より 明治四十一(一九0八)年 (年次推定) 山本喜誉司宛

笠置から塔の峰をめぐつて吉野をこえたなり高野に上つた 高野の御寺の精進料理はうまい 笹の雪よりうまさうだ もう五六年たつたら君と一緒にこゝへ来てこの料理が食へるだらう高野から金剛山へ上る。山は険しくないが途中で暮れてゆく山々の景色をながめたの…

書簡集より 明治四十一(一九0八)年 芥川フキ宛て

12月24日 粛啓 本日成績発表、小生は第一番に御坐候間乍憚御休神下され度候 猶中原君二番、西川君三番、依田君四番、宮崎君五番、砂岡君六番、筒井君七番、平塚君八番、山本君十三番に候 廿四日先は取りあへず御知らせ迄 芥川龍之介全集〈第17巻〉書簡1 作者…

書簡集より 明治39(1906)年 芥川儔・フキ宛て

調痢丸をのみてより以来の便今日を以て漸く通じ五日ぶりのうんこを時にひり出し快絶大快絶に御座候此頃は少々家が恋しく相成夜、目のさめた時抔は殊になつかしく覚え候 匆々 『芥川龍之介全集』第十七巻岩波書店 1997年発行 芥川龍之介全集〈第17巻〉書…