芥川龍之介の墓_02
主人は何を思ったか突然、お墓のことを話し出しました。
従来の墓石は、細長くて不安定で、台風でも来ると倒れそうなものが多いから、自分のはもっと低くして、どっしりしたもので、風などに吹き飛ばされないようにしたい、と巻紙にうすずみでその大きさを書きました。
その大きさは、主人が愛用している座布団の寸法なのです。
それは、びろうどに唐ちりめん(メリンス)の額ぶちの廻った大きい形の座布団ですが、それと同じものにしようというのです。
私はまた冗談がはじまったとあまり気にしませんでしたが、死後その巻紙が私の箪笥の中から出てきましたので、お墓はそれを参考にしてこしらえました。
芥川文著『追想芥川龍之介』より
2010年の河童忌に墓参りをしましたので、その時の写真を載せてみます。
芥川龍之介の墓は東京都豊島区巣鴨の慈眼寺にあります。慈眼寺は「じげんじ」と読みます。
↑慈眼寺入り口
向かって左の背の低いのが芥川龍之介の墓石です。右は芥川家の墓。
↑芥川龍之介の墓
花をお供えしました。
もっとちゃんと写真を撮ればよかったかな。